福岡から静岡へ!その16。全国学校図書館研究大会2日目。
2010年 08月 05日
今日は午前中は2つの講演会に参加しました。
最初は柳田邦男氏の講演でした。
私は今から10年以上前、「犠牲(サクリファイス)」を読んで、本当に感動もし、考えさせれました。
今回、その作者である柳田邦男氏の話が聞けて、本当にうれしかったです。
さまざまなお話を伺いましたが、とりわけ印象に残ったことの1つは、
「知らない土地で迷うことは大切だ」ということです。
カーナビなどつけず、知らない土地で迷うことによって知らない土地に馴染みができる、と言われました。
胸の中に落ちてきた言葉でした。
それから、もうひとつ。
絵本作家、内田麟太郎さんについてのお話は、途中涙が出てきました。
内田麟太郎が幼少時、2度目のお母さんから愛されず、さんざん辛い思いをして、中学生になったときには、次第に2度目のお母さんに暴力さえふるうようになってしまったこと。
そして、いつかこの恨みを2度目のお母さんにぶつけてやろうと心に決めていたこと。
けれど、その後東京に飛び出し、ずっと帰らなかった家にお父さんの葬儀のために戻った時、ずっと年老いてしまったお母さんが、「りんちゃん、愛してあげなくてごめんね。」と謝られたとき、「もういい」と思われたということ。
「春風だけが凍土を溶かすだろう」という言葉が、内田麟太郎さんのエッセイの中にあるとのことです。
柳田氏は、「絵本というのは、見かけは子ども向けにつくってあっても、このような絵本作家の思いがこめられている。」と言われました。
こんなお話をうかがいながら、たとえば、高校生などに対しても、内田麟太郎さんの絵本を読み聞かせ、それと抱き合わせて内田麟太郎さんのエッセイを読む、というような授業を展開することができるだろう、と考えていました。
2コマの講演は、落語家の桂文我氏の講演でした。
私は小学生の頃から落語が好きで、NHKの寄席などよく見ていました。
古典落語の、うるさがたの亭主が念仏を唱えながらも、小言をさみだれのように言い続ける、という落語は特に好きで、何度同じものを聞いても笑い転げてしまっていました。
様々興味深いお話があったのですが、ことに印象深かったことは、
「落語は大衆芸能の中の伝統芸能。口伝で惜しげもなく後輩に伝えていくもの」という言葉と、
「かけただけの時間しか戻ってこない」という言葉でした。
すべからく、自分が持っている技術(があるとするならば)、後輩たちに惜しげもなく教えていきたいなと思います。
もちろん、そうすることによって、後輩たちから「若ければこその突拍子もないアイディア」を教えてもらうことも多々あり、先輩、後輩の間柄は決して一方通行ではありません。
また、「かけただけの時間」、すなわち、「した努力」ぶんの見返りしかない、ということも冷厳たる事実です。
だからこそ、桂文我氏は、「無駄なベクトルで時間をかけないように」と言われました。
講演会2つに参加して午前は終わり、いよいよ午後は私の実践発表でした。
前回の熊本大会でも司会してくださった埼玉県の先生が、今回も司会して下さいました。
それから、前回も私の実践発表を聞いてくださった方が、今回も来てくださっていました。
私の悲願は「福岡の特別支援学校の図書館に学校司書さんの配置を」ということで、特別支援学校の学校図書館の重要性を訴え、仲間を増やすために、全国大会へも果敢に挑戦しているところです。
今回、思いを同じくする沖縄の先生と出会い、名刺をいただくことができました。
私は名刺を作りながら持っていっていなかったので、さっそくにもメールを差し上げて、「メル友」になろうと思っています。
働く場は離れていても、こうして、同じ思いの仲間とつながりあえることは、本当に幸せなことだと思います。
がんばろう、と、思いを新たにしました。
全力投球の実践発表の後、すっかり脱力してしまいました。
ホテルへと戻りながら、東静岡駅からみえる「ガンダム」の写真を、子どものために撮りました。
この「原寸大ガンダム」は、無料で近くで見ることが出来るそうです。パビリオンみたいなものに入るには入場料が必要だけれど、ガンダム見るだけなら料金はいらないそうです。
私も子どもたちも、この暑さの中見に行くことは断念してしまいました。
私にとってガンダムは、一番最初のころが全てで、今のガンダムはさっぱりわかりません。
一番最初のころのガンダムに出てきていた、「カイ」が私は好きで、彼が思いを寄せていた少女を失ってしまう「大西洋、血に染めて」は再放送のたび必ず見ました。
なつかしいです。